おもちゃと遊びの企画展「十二支の郷土玩具 巳(み)からでたへび」が現在、童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム「わらべ館」(鳥取市西町)3階「ギャラリー童夢(どうむ)」で開催されている。
「おもちゃと遊びの企画展」は、同館の収蔵品を中心に紹介し、おもちゃ文化を伝えることを目的に年5回ほど開催。同展の中でも「十二支の郷土玩具」は2005(平成17)年から毎年開催しており、近年は定番のテーマとなっている。今年は「巳からでたへび」と題し、干支(えと)の「巳」にちなんだ郷土玩具約100点を展示する。
わらべ館おもちゃ係係長の長嶺泉子(もとこ)さんは「郷土玩具は飾ることも多く、他のおもちゃと比べて遊びの中で目にする機会が少ない。干支を題材とした郷土玩具が多く作られてきたので、干支をきっかけに郷土玩具に目を向けてもらえればと企画した」と話す。
展示するのは、日本各地の蛇にちなんだ郷土玩具。木目が蛇の模様のような北海道の木彫り人形の蛇や、上にリンゴがのった青森県の下川原焼土人形の蛇など、さまざまな蛇の郷土玩具を並べる。展示スペースの前には、沖縄県八重山地方で作られる郷土玩具「ハブグヮー」で遊べるスペースも設け、郷土玩具の素材や技法、蛇に関する知識もパネルで紹介する。
長嶺さんは「『ハブグヮー』は筒状のおもちゃで、指を奥まで入れると引っ張っても抜けないが、口の方へ押し返すようにすると抜ける仕組み。展示を始めてから多くの人に楽しんでいもらい、指が抜けなくなったお客さまを助けたこともある。実際に遊んでみることで、昔の知恵がおもちゃに息づいていることを感じてもらえているのでは」と話す。
「郷土玩具は地元の素材を使って地元の人が作り、その土地にちなんだ造形があるので、その土地ならではの造形を楽しんでほしい。蛇は脱皮して再生することから、復活の象徴とされている。今年脱皮して気持ちを新たにしたい人にも見に来てもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~17時。第3水曜休館。入館料は大人500円、高校生以下・障害者とその介護者無料。2月18日まで。