ウサギを愛する人々が集まるイベント「第2回うさのわ」が11月9日、船岡竹林公園(八頭町船岡)で開催された。主催は地元の有志が集まった団体「やずうさぎプロジェクト」。
白兎海岸・白兎神社(鳥取市白兎)は「古事記」の神話に登場する因幡の白兎伝承の地として広く知られるが、一方で八頭町にも、「ウサギが天照大神の道しるべとなった」という、もう一つの「白兎伝説」、白兎神社(八頭町福本)が存在する。
そうした2つの伝説のある鳥取県東部の街なかには、至る所に「兎」「白うさぎ」の名を冠する事業所、公共施設、店舗、土産品、さらにはウサギのキャラクターやロゴマークが点在する。八頭町でも公式キャラクター「やずぴょん」やウサギのモニュメントが同町の文化を象徴している。
同団体メンバーで地域おこし協力隊の中村聡志さんは「鳥取ではたくさんのウサギにまつわるものを目にするが、県外や他地域の人にはあまり知られていない。全国的にウサギを飼う人も増えてきている中、ウサギ好きを対象としたイベントも各地で行われており、ウサギイベントを巡るコアなファンもいる。八頭町でもウサギに囲まれた空間を提供することで、ウサギ好きの人に喜んでいただき、まちおこしができるのでは」と、県内外のウサギ関連の店を一堂に集めた催しを企画したという。
当日、会場にはマグカップやせっけん、ぬいぐるみ、ジュエリー、葉付きニンジンなどを販売するコーナーのほか、ウサギ形のパンやウサギのラベル付きドリンク・デザートなどのフードブース、水引き「うさぎ結び」作りや「うさぎボーロ」の絵付け体験などのワークショップなど計30店が軒を連ね、約740人の来場者でにぎわった。
ステージでは、奄美大島の天然記念物「アマミノクロウサギ」の魅力を伝えるトークショーや、ウサギ専門医・加藤郁さんによる飼育相談も行われた。ウサギがモチーフとしたスズキ「ラパン」の展示車に隠されたウサギマークを探すイベントも来場者の関心を集めた。
中村さんは「ローカルな文化は地域特有のもので面白い。誰かが残していかないとすぐに放置され失われてしまう。2035年次のうさぎ年が一つの節目。その時に『初詣の候補地』やウサギファンの中で『ウサギの聖地』となれるように準備していければ」と意気込み、今後は秋の恒例開催を予定している。