
「鳥取砂丘フィールドハウス」前広場で10月6日、鳥取市内の幼稚園・保育園・こども園の園児を対象とした砂遊びイベント「すなばようちえん」が開催された。
主催は「鳥取砂のルネッサンス実行委員会」。2017(平成29)年に設立され、市民の郷土愛を育むことを目的に「砂」を使った活動を展開。鳥取砂丘の砂で親子で遊べるイベントや、高校への「砂像出張講座」などを行ってきた。「すなばようちえん」は2019年に始まり、今年で7年目。市内の約30園が参加し、毎年5月から11月にかけて園ごとに日程を調整して開く。この日は2園から61人の園児が砂丘を訪れた。
実行委員長の遠藤理恵さんは「活動の中で出会った園の先生から『広い砂丘で力いっぱい遊ばせてあげたい』という声を聞いたのがきっかけ。この活動の良さを感じた先生の紹介を通じて、年々参加する園が増えている」と話す。
当日、園児たちは遠藤実行委員長の周りに集まり、砂の城の作り方や遊ぶ時の注意を聞いた。砂の城は、底のないバケツに砂を入れてひっくり返し、土台を作った上に先のとがった上部を重ね、階段や窓を形作った。
説明後、園児たちは自由に砂で作品を作った。「ぎゅっぎゅっぎゅっ」といいながら砂を真剣に詰めたり、砂を詰めたバケツを砂から取り外して「うわー!」と歓声を上げたりする姿が見られた。
終了時に何を作ったか尋ねると、「ウオータースライダー」「鬼ヶ島」「ピラミッド」など元気に答える園児の声が広がった。「まだ帰りたくない」と話す園児に、教諭が「園に帰って続きをしようね」と声をかける場面もあった。
遠藤さんは「園児にも先生にも思い切り遊んでもらえたのでは。砂遊びには、仲間と協力する力や創造力など、大人になるまでに身につけたい大切なことが詰まっている。楽しい思い出が生きる力につながれば」と期待を込める。