鳥取駅前のシンボル「バード・ハット」(鳥取市今町)で10月19日、鳥取大学地域学部の小笠原拓教授と学生4人が運営する一箱古本市「トットリヒトハコ」が開かれた。
トットリヒトハコ実行委員会の学生(左から藤本さん、大久保さん、中尾さん、渡邊さん)
この古本市は、授業「地域調査プロジェクト」の一環として「本と地域」をテーマに行い、学外で地域と直接触れ合いながら学びを深めるのが目的。トットリヒトハコ目当てに授業を選ぶ学生もいるという。5回目となる今回は、初めて地域の商店街「新鳥取駅前地区商店街振興組合」「鳥取太平線通り商店街振興組合」「末広温泉町商店街振興組合」が主催するイベント「みんげいみっけ」と連携して開かれた。
これまでは屋外で実施してきたが、天候に左右されることもあり、今年は屋根のあるバード・ハットで開催。学生たちは事前に周辺の商店街を下見し、地域の人と話したり、本に関するスポットを探したりしながら準備を進めた。
当日は県内外から25組が出店。初代主催者の卒業生2人も参加し、後輩たちの活動を見守った。3回目の出店となる「こどものお店」の中島しいさんは「値付けの工夫など毎回勉強になる。いろいろなお客さまや店主との交流も楽しく、私も何冊か買った」と話す。
ほかの出店者からは「駅前がにぎわって、地域おこしにぴったり。学生たちから熱意が伝わってくる。準備を手伝ってもらえて助かった」という感謝の声が聞かれた。
運営した学生たちは「初めてイベントの運営を経験し、大変さを実感した。最初は不安だったが、本を通して多くの人と出会えて楽しかった。地域と関わるきっかけにもなり、さまざまな立場の人の間で交流が生まれる瞬間を目の当たりにできてうれしかった」と達成感をにじませた。
これまでは1年間の授業の修了後行っていたが、昨年から10月開催に変更。通年授業の中間地点に置くことで「イベントがゴールではなくなった」と小笠原教授。「運営を経験する中で感じたことを、後半の授業で考え、まとめてほしい」と学生に期待を寄せる。
後半の授業では成果発表なども予定しており、学びは今後も続く。