鳥取市用瀬の千代川沿いに店を構えるジェラート店「ジェラテリアmammamia(マンマミーア)」。地元の農家から届く規格外の果物や野菜を生かしたジェラートが人気を集め、ジェラート入りのクレープも提供している。昨年7月にオープンした同店は、1周年を迎えた今年、イベント出店などを通してファンを広げてきた。
――ジェラート店を始めようと考えたきっかけを教えてください。
実は、夫がもともとジェラートが好きで、ジェラート店のSNSをよく見ていたんです。そのつながりから、全国のジェラート店が集まるSNSのグループに入れてもらえることになり、情報収集していました。修業先を探し、静岡県の「Gelateria Amore(ジェラテリア アモーレ)」でジェラート作りの基礎を教えてもらう勉強会を開いてもらえることに。その時食べたジェラートがすごくおいしかったんです。
店舗外観
――ほかのジェラートとは違ったのですか?
それまでにも、ジェラートの機械の講習会に参加してジェラートを食べたことがあって、おいしいとは思ったのですが、店で出すのはどうしようかなと考えていました。勉強会で作って食べたジェラートはほかと全然違い、「これを店で出したい!」と思ったことが店をはじめる決め手になりました。
――設備もこだわったと聞きました。
はい。同じく静岡県の店で使われていたのと同じイタリア製のジェラートマシンと、つぼ型のショーケース「ポゼッティ」を導入しています。ジェラートが空気に触れにくく、鮮度を保てるのでイタリアでは主流だそうです。
――店がある用瀬はどんな場所ですか?
奥にはキャンプ場があり、夏は川遊びやキャンプで訪れる人も多いです。そうした人にここに寄っていただいたりしています。最近はバイク乗りのお客さまも増えてきました。ツーリングの名所「八東」に行く途中にあるので、SNSなどを見て寄っていただけているのでは。
店のそばを流れる千代川
――マンマミーアさんの特徴である「規格外食材」を使う理由を改めて教えてください。
単純に「味は変わらないのに捨てられてしまう」のがもったいなくて。仕入れ先はSNSやお客さまからの紹介のほか、農家さんから「少し傷んでしまって…どうですか?」と連絡を頂いたり、道の駅さんから「痛みかけの果物があるんですが使えませんか」と声がけいただいたりしています。今年は果物が豊富に実ったようで、うれしい反面、規格外食材も多く発生していると聞くので、ジェラートにしておいしく食べていただけることもうれしいです。柿、サツマイモ、梨、リンゴ、シャインマスカット、栗など、季節によってさまざまな食材が届きます。
――クレープも提供していますが、始めた理由は?
冬はどうしてもジェラートの売れ行きが落ちるので、「温かいものも出せたらいいな」と思って始めました。注文が入ってから焼く温かいクレープの中にジェラートを入れています。もともとは冬限定の予定だったのですが、他の季節も注文を頂くので一年中提供しています。
さつまいもモンブランクレープ(期間限定)
――ジェラートのフレーバーはどのように決めていますか?
旬の食材や、農家さんから届いた食材などを見て決めます。新作は失敗することもありますがが、試行錯誤を重ねてレシピを作っています。定番は「ミルク」「ピスタチオ」「チョコレート」で、ほかは季節によってどんどん変え、常時10種類ほど用意しています。
――イベントにも積極的に出店していますよね。
はい。知らない方に知っていただけるきっかけになるので、1周年を迎えてから特に力を入れています。多い時は週2ペースで出ることもあり、店舗が遠くてなかなか来られない人にも喜んでいただけています。
――オープンからの1年でうれしかった出来事はありますか?
最初はSNSを見て来るお客さまが中心でしたが、最近は口コミで来てくださるお客さまが増えました。さらにその方が友人を連れてきてくださるなど、人づてに広がっているのが本当にうれしいです。
――今後、挑戦してみたいことを教えてください。
「ホットジェラート」という、温かい飲み物として楽しめるジェラートに挑戦したいです。エスプレッソをかける「アフォガート」のようなメニューにも取り組みたいと思っています。最近エスプレッソマシンを導入したので、飲み物のバリエーションも増やしていく予定です。将来的には、良い場所があれば2店舗目も出したいなと、夫と相談しています。