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鳥取のまちを面白くするキーパーソンvol.3 幅広いジャンルの歴史物を展示する「渡辺美術館」学芸部長・伊東哲夫さんに聞く

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「渡辺美術館」(鳥取市覚寺)では、甲冑(かっちゅう)や刀剣をはじめとする武具、鳥取藩池田家ゆかりの品々、近代以降の美術品や地域資料など、幅広いジャンルの展示を行っている。鳥取砂丘に向かう国道沿いに位置し、県外や海外からも観光客が訪れている。

同館の学芸部長・伊東哲夫さんに、開館経緯や展示品、人気の体験や館内の穴場スポットについて話を聞いた。

――渡辺美術館開館の経緯を教えてください。

渡辺美術館を作ったのは、昭和初期に医師として活躍していた渡辺元という医師で、収集していたさまざまな美術品を地域の人にも見てもらいたいと、1978(昭和53)年に渡辺病院付属美術館として開設し、一般公開しました。その後、公益財団法人に移行して、現在は渡辺病院の理事長・渡辺憲が代表理事を務めています。約3万点の収蔵品があり、一部を定期的に入れ替えながら展示しています。

――どんなものを展示していますか?

甲冑や武具、鳥取藩池田家ゆかりのもの、古美術品や調度品だけではなく、1952(昭和27)年の鳥取大火で焼け残ったものや、鳥取で活躍していた作家の作品など、さまざまなジャンルのものを展示しています。

鳥取藩関係特設室

――人気の体験があると聞きました。

鳥取藩池田家の家紋入り手ぬぐいプレゼント付きの「甲冑の着付け体験」が人気です。4体のレプリカの甲冑から好みのものを選んで着用できます。面頬(めんぽう)、佩楯(はいだて)など、全身に着付けるプランや、兜(かぶと)だけかぶる手軽なプランがあり、侍気分を味わってもらえます。所狭しと並べられた本物の甲冑の前での写真撮影も大変好評。海外からの来館者の利用が特に多く、ほぼ毎週予約が入り、実施しています。「甲冑を着るのが夢だった」と話す国内の旅行者もいらっしゃいます。

甲冑の展示

――実際に着用することは学びになりますね。

甲冑も着物のように着付け方があります。着用する位置や角度などにも意味があり、着用していただくことで学んでいただけます。レプリカですが本物と変わらない重さで再現されているので、兜だけで約3キロ、全身着用で約12キロの重さになります。攻撃から顔を守るために目から下の顔半分を覆うお面「面頬」を付け、兜をかぶった時の、視界の狭さなども体感できます。当時の戦の様子を想像するなど、より深く日本の文化や歴史を知ることができます。


本物の甲冑を背景にポーズをとる体験者

――定期的に開催されている企画展について教えてください。

鳥取にゆかりのある方や、鳥取で活動されている方を中心に企画展を行っています。1階では古美術品や個人の作家さん、2階では小品やグループ展などを開催しています。地域の作家さんの作品を紹介したり、鳥取の歴史を深く知ることができるものを選んで展示したりすることで、鳥取の歴史と魅力を知っていただきたいと思っています。

ーー2階の企画展会場の横には、展望カフェがあるんですね。

実は、ここは鳥取の歴史を楽しんでもらえる穴場スポットなんです。カフェでコーヒーなどを飲みながら作品を眺めることができ、大きな窓の向こうの風景からは歴史を感じることができます。目の前に見える大きな池は八幡池(はちまんいけ)といい、戦国時代に新田開発のために作られました。その向こうに見える山は、羽柴(豊臣)秀吉により兵糧攻めにあった鳥取城跡地のある久松山、また周辺には兵糧攻めにあった責任を取り切腹した武将・吉川経家の墓や隠れキリシタンの墓などがあります。カフェでゆったりと過ごしながら、歴史に思いをはせていただければ、と思います。

展望カフェからの景色

――日本文化や歴史、鳥取を感じられる美術館ですね。

甲冑や刀剣の展示数が多いので、歴史好きな方や海外の方の来館が多く、刀剣を擬人化したアニメファンの方なども来館されています。鳥取藩池田家の刀をイメージしたキャラクターのグッズや、メッセージをプレゼントしてくださった方もいらっしゃいました。鳥取池田藩展示の横でご紹介しています。

来館者からのプレゼントやメッセージ

 

県内外、海外問わず、今後もさまざまな方に来館していただき、日本・鳥取の歴史や魅力を伝えていきたいです。掘り出し物を見つけるようなわくわく感のある美術館です。ぜひ何度も足を運んで鳥取の歴史を感じてください。

 

 

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