鳥取・河原の「田中農園」が9月、今シーズンの稲刈りを迎える。
アスパラガスと米を中心に育てる同園は、代表の田中和美さんと長男の田中詳人さんが営んでおり、現在は詳人さんが継承に向けて取り組んでいる。
同園は独自に作物の育て方を工夫している点が特徴で、緑、白、ピンク、紫の4色アスパラガス、色付きの古代米(紫黒、赤、緑)などを育てる。詳人さんは「米は種からじっくり育てていて、色物もそろえることで食べてくれる人に楽しんでもらえるようにしている」と話す。
詳人さんは「色物のアスパラや米を作り始めたのは、自分たち独自の魅力や販路を拡大するため。父親が魅力的でおいしそうな作物を作るために、さまざまな工夫を凝らして色を変えることにつながった。自分たちの作る米やアスパラは、本当においしいものだと自信があるので、いろいろな飲食店やホテルに足を運んで提案してきた。今では地元の店で使ってもらえていて、届けに行く度に『ありがとう』と、逆にお礼を言われるので、うれしい」と笑顔を見せる。
詳人さんは「河原は水がきれいでアスパラや米を育てるのに適している。この土地の良さを生かして、さらに自分たちの作物を提供したい。ただ、猛暑や梅雨が短かったこと、カメムシの発生などで、コントロールできない自然の難しさがあり、農作物の仕上がりに関わる。その中で本当にいい状態のものだけを収穫して、今年もおいしい米を届けたい」とも。
稲刈りは天気や米の状態に合わせ、9月上旬に行う予定。