築150年の古民家を改修した一棟貸しのゲストハウス「明日の家」(智頭町)が9月20日で5周年を迎えた。
同施設を管理するのは、横浜でウェブ制作やデザインを手がける「明日の」の村尾朋子さん。村尾さんは6年前に智頭町に移住し、現在は横浜との2拠点生活をしながら同施設を営む。
同施設オープンのきっかけは、村尾さんの父親が仕事で智頭町の歴史調査に関わっており、「智頭町について話し合える場所を作りたい」と考えていたことだったという。村尾さんは「現在の施設を改装中に父親が亡くなってしまい、自分が引き継ごうと思い移住した。そこから、智頭町の魅力を伝え、多くの人に体験してもらえるように今のゲストハウスを完成させた」と話す。
同施設は1日1組限定で、大部屋(12畳)、床の間(5畳)、和室(5畳)、奥間(5畳)、玄関(6畳)の部屋がある。キッチンや風呂などの生活に必要な設備も備える。宿泊中、暮らしを感じることができるよう、田植え・稲刈り、農業体験、機織り、漆塗り、歴史探訪などの体験(1,500円~)も時季に応じて実施。稲刈りの時季は、新米を釜で炊いたり朝食を提供したりすることもあるという。
村尾さんは「オープン時はコロナ禍真っただ中で、外国人旅行者などを引き受けることに対して地域の人から反対の声もあった。いろいろな難しさを感じながらも、この地域の良さを伝え、多くの人に体験してもらうことが、この町を存続させることにつながると説明し続けてきた。結果として、今は近所の人と宿泊する人が交流して、どんどん体験の幅が広がっている。町の外から来た人は、この町の魅力を客観的に教えてくれる。それが地元の人にとっては気づきになる。そうした機会を、これからも増やしていければ」と意気込む。
宿泊料金は4人2万5,000円~。ゲスト1人追加の際は、大人=5,000円、12歳以下=3,000円、幼児無料。連泊の場合は割引。最大4週間までの長期滞在が可能。予約はウェブサイトで受け付ける。