
自然共生サイトの普及啓発を目的とした「自然共生サイト交流会」が3月8日、大江ノ郷自然牧場(八頭町橋本)の大江ノ郷テラスで開かれる。
自然共生サイトは2023年に環境省が制度化したもので、民間の取り組みによって生物多様性の保全が進められている区域を認定する。県内では「八頭町船岡環境保全エリア」(八頭町)、「八東ふる里の森」(八頭町)、「鳥取県立大山オオタカの森」(大山町)、「南部町の里地里山ビオトープ」(南部町)、「ロイヤルシティ大山リゾート 大成池周辺区域」(伯耆町)、「鵜の池・ヨシ池 」(日野町)の6カ所が登録されている。
自然共生サイトを冠した交流会の開催は今回が初めて。県内での普及を進める鳥取県生活環境部自然共生社会局自然共生課の山川渉さんは「自然共生サイトは2023年に制度ができたばかりで、鳥取県内ではまだ一般に広く知られていない。実際に活動が行われている現場での観察会も行うので、この機会に自然共生サイトを知ってもらえれば」と話す。
交流会は、午前の「交流まなびば」と午後の「自然観察会」の2部制で行う。午前の部では、自然共生サイトの概要説明や地元5サイトの取り組みの紹介に加え、トークセッションを開催。ファシリテーターに鳥取大学農学部特任教授の日置佳之さんを招き、「共生サイトを活用して今後どうしていきたいか」「エコツーリズム」をテーマに意見交換を行う。
午後の部は前日までの予約制で、「こども・おやこ向けコース」「おとな向けコース」の2コースを用意。八頭町船岡環境保全エリアの船岡農場・ビオトープなどを訪れ、大人向けコースでは生物多様性保全の取り組みを視察。子ども・親子向けコースでは、両生類がふ化した卵や生き物、野草の観察を予定する。
当日の運営を担当する鳥取県地域教育推進局の岡川絵美さんは「専門的な話はお子さまには難しいと思われるかもしれないが、事例発表をする人には、子どもにも分かりやすく工夫してほしいとお願いしている。生き物のことを知るだけでも良いので、気軽に参加してほしい」と話す。
山川さんは「自然共生サイトの取り組みや生物多様性を保全する活動は、これからさらに進めていきたい。そのきっかけとして交流会を開くので、ぜひ参加してほしい」と呼びかける。
開催時間は、交流まなびば=10時30分~12時、自然観察会=13時30分~15時。参加無料。自然観察会は前日までに要予約。「こども・おやこ向けコース」「おとな向けコース」共に先着10人。交流会の参加者には、八頭町船岡農場の野菜を進呈する(なくなり次第終了)。