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鳥取の映画文化を掘り起こす書籍刊行へ CFで協力呼びかけ

左から、映像作家・メディア研究者の佐々木さん、小取舎の村瀬さん、SHEEPSHEEP BOOKSの高木さん

左から、映像作家・メディア研究者の佐々木さん、小取舎の村瀬さん、SHEEPSHEEP BOOKSの高木さん

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 鳥取県内の映画館や自主上映活動の歴史を掘り起こし、地域に根ざした映画文化を伝える書籍「『見る場所』のメディア考古学-鳥取から日本映画史を描き重ねる」の刊行を目指すプロジェクトが現在、クラウドファンディング(CF)で協力を呼びかけている。

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 編著者は鳥取映画文化のアート&リサーチプロジェクト「見る場所を見る」。同プロジェクトは、地元を拠点に活躍するアーティストClara(クララ)さんによるイラストと、映像作家・メディア研究者の佐々木友輔さん・杵島和泉さんによるリサーチにより、「時代を超えて映画を楽しんできた観客たちの姿を浮かび上がらせるもの」だという。今回のCFは、同プロジェクトと、ひとり出版舎「小取舎」、書店「SHEEPSHEEP BOOKS」(鳥取市元町)のコラボレーションで行う。

 同プロジェクトの佐々木さんと小取舎の村瀬謙介さん、SHEEPSHEEP BOOKSの高木善祥さんは鳥取での上映会や展覧会で出会い、以前からつながりがあったという。村瀬さんは「普段は映像作家・出版社・書店店主として一人で独立して活動している3人が、一緒にやってみたらどんな化学反応が起こるのか楽しみだった。さまざまなメディアを巻き込んで話題にしていくメディアミックスはかつて、角川文庫と角川映画が行っていた時代があり、それをオマージュした。一緒に行うことで、3人を応援してくれる人の力が集まれば」と話す。

 同書では、佐々木さんが研究してきた鳥取全域の映画史調査や、Claraさんによる映画館・レンタルビデオ店のイラスト約60点を掲載。研究成果を学会や論文だけでなく、「イラストレーション・ドキュメンタリー」で伝える方法論も提案する。

 現在、鳥取県内の映画館は4館だが、かつては数多くの映画館やレンタルビデオ店があり、人々に親しまれてきたという。近年では「自主上映活動」も行われている。佐々木さんは、そうした映画文化が培われてきた歴史は映画史でもあり、郷土史でもあるので、県民に知ってほしいと思ったという。村瀬さんは「過去だけでなく、自主上映活動を現在行う人など、今も映画文化を受け継ぐ人々にも光を当てている。懐かしさだけで終わらない本になっている」と話す。

 支援は同書をリターンとする3,000円から。「小取舎 書籍セット」(6,000円)、「Clara イラストセット」(2万円)、「SHEEPSHEEP BOOKS 応援プラン」(1万円)なども用意する。「映画応援上映権」(5万円)では、同プロジェクトが製作した映画が上映できる。

 村瀬さんは「映画を見て、その映画について話し合える友達はとても大事。友達とそうした時間を過ごせるのは、本の時も、イラストの時もある。今回のCFを通して、映画好きな人だけでなく、本やイラストが好きな人にも応援してもらい、話し合える人の輪が広がれば」と話す。

 目標金額は50万円。8月12日まで。

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