八頭町は、梨・柿の新たな担い手を育成し果樹産地の維持・発展を図るため、栽培技術等などを習得する研修体制「八頭町果樹トレーニングファーム」を八頭町農業公社内に開設し、6月3日、就農研修生(1期生)の募集を始めた。
同町は果樹栽培が盛んで、梨は、鳥取県オリジナルブランド梨「新甘泉」「二十世紀」のほか、「新興」「豊水」「玉秋」、柿は、地理的表示(GI)保護制度にも登録される「こおげ花御所柿」「西条」「花御所」「富有」「輝太郎」など、多くの品種を栽培する県内有数の果樹産地。しかし、近年は少子高齢化・担い手不足などの影響により梨農家は2020年度113戸に対して2022年度100戸、柿農家は2020年度177戸に対して2022年度165戸と、年々、減少傾向にある。
八頭町産業観光課の宮本昌弘さんは「梨と柿の農家は家族で受け継いでいく流れがあるが、近年では親が果樹をしていても継がないケースが増えている。果樹栽培には知識が必要だが、親がやっていないと(近隣では)なかなか習う機会がない。そこで町内の農家に協力してもらい、研修を進める企画を始めた」と話す。
研修は、新規就農者がスムーズに営農が開始できるよう、八頭町役場・八頭町農業公社・JA鳥取いなば・鳥取市・鳥取県・地元農家などの関係機関が連携し研修生を伴走支援するもので、募集人員は1人~2人。8月2日まで募集し、9月上旬に決定。研修生は10月から2年間(最長3年間)、先輩農家の果樹園で栽培技術の研修を受けるほか、農業経営者の心構えなどの習得を行う。
宮本さんは「実際に梨と柿を栽培している ほ場で、一番実践に近い研修となる。そこで身についた技術は独立就農したときにとても役に立つ。八頭町で果樹栽培に取り組んでみては」と呼びかける。
1日だけの栽培体験会も、6月9日(梨栽培)、同16日(柿栽培)に同町農業公社主催で行う。