智頭農林高校(八頭郡智頭町)の「生徒作品展」が9月3日、「石谷家住宅」(八頭郡智頭町)の2号蔵展示室で始まった。
石谷家住宅は江戸時代から300年以上続く商家で、国内の銘木を使った高い建築技術が評価され、2009(平成21)年、国の重要文化財に指定された。同イベント開催に当たり、「地域の魅力や特色を伝えるうえで最適な場所」と考え、展示会場にしたという。
同校の下谷博子教諭は「開催のきっかけは、八頭町出身のカメラマンと共同で生徒の活動や校内の風景を撮影し、智頭町の木材を加工した額縁に収めてポスターにする『のうりんフォトキャラバン』という別のイベントだった。写真で学校の様子を記録した結果、『もっと学校の魅力や様子を伝えるイベントを開きたい』という思いが湧き、2021年に作品展を開いた。その際、『農林高校は地域の特色を表してくれるシンボルなので、街の重要な施設で開いてみては』と言ってもらい、石谷家住宅で開催させてもらった。これまでショッピングモールや図書館などでも展示会を開いてきて、今回に至る」と話す。
100以上の作品展示を通して学校の様子や学習、生徒の様子を伝える同イベント。その中で、地域との関わりや街の魅力を伝えることが目的だという。杉の町と呼ばれる智頭町の特徴である木材を加工した作品をはじめ、藍染め、さおり織、食品サンプルなどの展示に加え、生徒の様子を伝えるPR動画も上映する。藍染め作品は地元の藍染め工房の指導を受けて制作したもので、値札の付くものに限り販売する。作品に使う素材は生徒が自ら用意した。木材加工で使う木材は山で実際に伐採し、藍染めも素材を種から栽培しているという。下谷さんは『農林学校だからこそできる作品。専用のキットを使った作品とは一味違う』と話す。
同所を管理する一般財団法人「因幡街道ふるさと振興財団」の陰山愛さんは「農林学校は智頭町の特色を表現できるシンボルのような存在で、多くの地域人材や資源が集まってこの展示が実現している。このイベントを通じて、智頭町の魅力を知ってほしい」と観覧を呼びかける。
開館時間は10時~17時。水曜休館。入館料は、大人=600円、高校生=500円、小中学生=400円、幼児・高齢者(80歳以上)無料。10月6日まで。