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鳥取・宝木小で「トンドウ・ぜんざい集会」 地域の伝統行事に触れる

気高町の港町「酒津」の有志が作った「トンドウ」が燃える様子

気高町の港町「酒津」の有志が作った「トンドウ」が燃える様子

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 「トンドウ・ぜんざい集会」が1月17日、鳥取市立宝木小学校(鳥取市気高町)で開かれた。

鳥取市立宝木小学校の児童が「トンドウ」に書初めを差し込む様子

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 同集会は、地域の伝統行事「トンドウ」と「ぜんざい作り」を、児童が地域の人と一緒に行う学校行事。児童に地域に対する誇りと自信を持ってもらおうと、約20年前から行う。同校の浅井美和校長は「家庭科の調理実習や読み聞かせなどで、普段から地域の人が小学校に協力してくれている。この行事も、地域の人の協力を得て続けられており、地域の人にとても感謝している」と話す。

 校区である気高町の港町「酒津」(さけのつ)には、国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統行事「酒津のトンドウ」が伝わる。トンドウは、高さ約4メートルの松や竹で作られた焼き代に、しめ縄などを巻き付けて飾ったもの。トンドウと正月飾りや書き初めの紙を燃やし、月に迎えた年神を送り、無病息災や豊漁を祈願する。書き初めの紙は高く舞い上がれば字がうまくなるといわれている。

 同集会では、「酒津のトンドウ」の約半分の高さのトンドウを使用。幼い頃から「酒津のトンドウ」を行ってきた地域の有志4人が、農家から分けてもらったわらなどを使って作った。完成したトンドウに児童が書き初めの紙を差し込んだ後火を入れると、小雨降る中、空に向かって勢いよく火が上った。「あれは僕のだ」と燃え上がった書き初めをうれしそうに指さしたり、「うわぁ、すごい」と炎の迫力に驚いたりする子どもの姿が見られた。

 ぜんざいは、5年生が地域の人と協力して作り、他学年の児童に振る舞った。総合学習で地域の農家と協力して育てた約90キロのもち米を使用。5年生の児童は「自分が作ったものだから、食べてもらうのはとてもワクワクした。『おいしい』と言ってもらえたことがうれしかった」と笑顔を見せた。

 トンドウに協力した河根裕二さんは「子どもたちに地域に対する誇りや愛着を持ってほしいという思いで協力してきた。酒津のトンドウに参加していない子どもたちにも、地域の伝統を感じてもらえる機会になっているのでは」と期待を込める。

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