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鳥取砂丘が、天然記念物指定70周年 地域の観光資源の保存を

鳥取砂丘でみられる砂柱(さちゅう)の様子(写真提供=鳥取砂丘ビジターセンター)

鳥取砂丘でみられる砂柱(さちゅう)の様子(写真提供=鳥取砂丘ビジターセンター)

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 鳥取市福部町の「鳥取砂丘」が国の天然記念物に指定され、2月3日で70周年を迎えた。

鳥取砂丘の「馬の背」とオアシス周辺の緑地

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 鳥取市の北方に発達した東西16キロ、南方2キロの海岸砂丘の一部である「鳥取砂丘」。その中で福部町に位置するエリアは、海岸砂丘として世界的に見ても大きな起伏を持ち、砂丘独自の地形や植物群衆を有することなどから学術的に貴重なものとして国の天然記念物に指定された。

 鳥取砂丘は、風や雨の影響を受けて砂の状態が変化する。乾いた砂が流れ落ちることでできる「砂簾(されん)」、砂の表面がごつごつとした突起状になる模様「砂柱(さちゅう)」、風によって波模様になる「風紋(ふうもん)」の3つがある。標高約47メートルの第二砂丘列と呼ばれる「馬の背」や、晩春から春にかけて馬の背の麓に現れるオアシス(部分的に水がたまっている場所)なども主要な観光要素。そのほか、鳥取砂丘に生息する植物や生き物も四季によって変化する点も魅力の一つになっている。

 鳥取砂丘は第二次世界大戦後、農地確保や集落の保全を目的に植林を開始した歴史や、外来種の侵入によって草原化してしまったことが問題となった。1985(昭和60)年ごろ市民の協力を仰ぎ、除草作業が本格化。現在も除草作業の継続に加え、一定の区域を里親のように責任を持って担当する仕組み「アダプトプログラム」を行い、環境の保全に努めている。

 鳥取砂丘ビジターセンターの石川瑛代さんは「これまでの保全活動をしてきた先人がいなければ、今の砂丘はなかったかもしれない。天然記念物に指定されてから多くの人が訪れ、大切にしてもらえている。これからも多くの人から愛される鳥取の魅力の一つであれば」と話す。

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