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鳥取駅前の「元湯温泉」が100周年 地域の源泉と歴史を次世代につなぐ

「元湯温泉」男湯入口に立つ4代目の小谷靖之さん

「元湯温泉」男湯入口に立つ4代目の小谷靖之さん

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 鳥取の「元湯温泉」(鳥取市末広温泉町)が3月で100周年を迎える。

昔の「元湯温泉」の風呂

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 鳥取駅前地域には、街中に天然の温泉施設が多く集まり、吉方温泉、永楽温泉、末広温泉などの総称で鳥取温泉と呼ばれる。地元住民だけでなく、旅行客が足を運ぶことも多いという。

 1904(明治37)年に吉方温泉で温泉が湧いているのが発見され、1921(大正10)年にも近くで温泉が見つかり、簡易的な露天風呂が作られた。その後、本格的な掘削を行い、1925(大正14)年に「噴泉浴場」として同温泉が開湯。この地域で最初に出た温泉であったことから「元湯」と呼ばれ、同温泉の屋号になったという。

 同温泉は、天然の温泉を引くメインの湯に水風呂が1つずつ。シャワー・洗い場は10個備える。ロッカーは24カ所、駐車場は17台分を用意。

 4代目社長の小谷靖之さんは「100年続けられたことは、素直にうれしい。この100年の間に、戦争やコロナ禍など大変な出来事はたくさんあったが、今も残っているのは、これまでに時代やお客さまのニーズに向き合ってきたから。親の世代では、時代が車社会になれば駐車場を作り、自宅風呂が一般的になれば、いろいろな風呂の種類に挑戦してきた。コーヒー風呂などに挑戦していたこともあったのが懐かしい。そのおかげで、今も地元の方を中心に常連の方が来てくれている。これまでの取り組みを誇ってもいいかなと感じる」と話す。

 実際に入浴した70代男性は「やはり自宅の風呂よりも、この温泉がいい。この温泉に入ってしまうと家の風呂に入れなくなる」と話していた。

 小谷さんは「街中に天然の温泉があるのは貴重。今は銭湯が減っているが、入浴施設自体はたくさんある。日本で入浴文化がなくなることはきっとなく、これからも続くはず。この温泉も、ずっと先の世代まで続き、多くの人に入浴文化や天然の温泉を楽しんでもらえるように長く頑張っていきたい」と意気込む。

 営業時間は、6時~9時30分、13時~23時。料金は、大人=450円、中高生=300円、小学生=150円、幼児=80円。

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