鳥取市内に3園あるコモド保育園(鳥取市末広温泉町ほか)を3歳で卒園する園児たち10人による「初めてのお買い物」が3月6日、鳥取本通商店街で行われた。
園児たちの思い出づくりとして同園が主催する同イベントは今年で4回目。開催のきっかけについて、同園を運営する一般社団法人「地域サポートネットワークとっとり」代表理事の山口朝子さんは「始めた時はコロナ禍だった。何かできることを、と考えた時、『近くの商店街で始めてみては』と考えた。普段から散歩やハロウィーンイベントなどで親しみのある商店街の店に協力いただいた」と話す。
同園に集合した園児たちは、買ったものを入れるリュックサックと500円の入った財布を首からさげ、「カフェアメリ」(カフェ)、「フルーツショップひらた」(果物店)、「サンフレッシュいなば」(青果店)の3店を巡った。
各店では、家族に食べてもらう商品を子どもたちが自ら選んでお金を渡す姿が見られた。「サンフレッシュいなば」スタッフの森本加代さんは「当店を選んでもらってうれしい。楽しく買い物をするうれしそうな姿を見て、(こちらも)うれしくなった」と話す。見学で訪れた園児の保護者、中山奈津子さんは「お金を持っての初めての体験。初めて社会と関わっていく姿を見られて良かった。成長を感じた」と買い物をする子どもたちの様子を振り返った。
「キャッシュレスの時代。お金を出してお買い物をする機会も減ってきた」と山口さん。「コミュニケーション能力は3歳までに身につけたい力の一つ。大人としっかり対面して、自分の欲しいものが言えたりするのは大切な経験になるのでは」と期待を寄せる。
イベントに参加した朝倉亜美教諭も「園児たちは前日から『何を買おうかな』と楽しみにしていた。実際に来たら緊張していたが、自分でお金を払って買うという経験がすごく貴重な経験となった。来年もぜひ、やっていければ」と話す。