企画展「THE 床の間」が現在、渡辺美術館(鳥取市覚寺)で開催されている。
渡辺美術館は1987(昭和62)年に開館し、鳥取の医師・渡辺元さんが約60年にわたり収集した3万点以上の古美術品を所蔵。江戸時代を中心とした武具や日用品の銘品を常設展示するほか、甲冑(かっちゅう)を着て撮影する体験なども楽しめる。企画展は年に7回開催している。
今回の企画展では、伝統的な床の間と鳥取県東部在住の3人の作家による現代の床の間を展示し、新旧の対比が見どころとなっている。伝統的な床の間では、「武家」「茶人」「正月」「冬」をテーマに、同館所蔵の掛け軸や香炉、花入れなど約20点を展示。現代の床の間には、画や彫刻を手がける岡野元房さん、毛筆アーティストのたい妖さん(井原妙子さん)、イラストレーターの渡部紘己さんが手がけた約9点の作品が並ぶ。
同館学芸員の石谷美恵子さんは「床の間をテーマにした展示は初めて。床の間は客人を迎える場や住む人が季節を楽しむ場として機能する日本独自の文化。この機会に(床の間を)見直し、若い世代にも関心を持ってもらえれば」と話す。
12月15日には作家が作品解説を行うギャラリートークを開催。1月3日~10日には新春特別企画として、先着20人に福袋が当たる「七福神スタンプラリー」を行う。
開館時間は10時~15時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。火曜休館。入館料は、一般=900円、高校・大学生=500円、小・中学生=300円。1月26日まで。