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鳥取砂丘を因州和紙に写す写真展「風紋」 ドイツ人作家が捉えた風景

鳥取市歴史博物館前で来館を呼びかける諸吉さんと横山さん

鳥取市歴史博物館前で来館を呼びかける諸吉さんと横山さん

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 写真展「風紋 移りゆく風景」が4月26日から、鳥取市歴史博物館(鳥取市上町)で開催される。

同展で展示する作品「FootprintsLeadingWhere足跡はどこへ?」

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 展示するのは、ドイツ人写真家ギュンター・ツォーンさんが鳥取砂丘を撮影し、因州和紙にプリントしたモノクロ写真約40点。和紙への印刷による写真展は4回目で、鳥取での開催は初めて。

 1980年代に阿部公房の小説「砂の女」を読み、鳥取砂丘に関心を持ったというツォーンさん。写真家・植田正治の作品にも影響を受け、2020年から2024年にかけて複数回、鳥取を訪れ、撮影を重ねてきたという。

 作品には、鋭く連なる砂の稜線(りょうせん)や変わりゆく空と海の明暗、円形に小さく映る人影などが収められている。傘を砂に突き立てたカットや、砂丘に咲く花、漂着した流木などもあり、広大に広がる風景の中にある小さな生命の存在や孤独感を捉えている。

 使っている因州和紙は中原商店(青谷町)が製造したもの。質感や厚みに魅力を感じて採用したという。印刷は、実行委員会メンバーで共催する、ティエスピーの諸吉陽子社長が担当。「和紙への印刷は色調整や繊維による機器の不具合など、非常に繊細な作業が求められる」と話す。「使う原料やすき方によって、一枚一枚薄さや色味が違う和紙と、自然によって移り変わっていく鳥取砂丘の風景写真が合わさった作品になっている」とも。

 同館学芸員の横山展宏さんは「一部の因州和紙には、原料として鳥取砂丘の雑草を含んで作られているものもある。今回の写真展でツォーンさんが表現する世界観だけではなく、鳥取砂丘の環境や和紙とのつながりなどを感じてもらえれば」と話す。

 4月26日と5月24日の14時から、ツォーンさんによるギャラリートークも予定する。

 開館時間は9時~17時(最終入館は16時30分)。入館無料。期間中の休館日は5月7日・12日・19日・26日。6月1日まで。

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