
全国47都道府県から集めた56種類の風鈴を楽しめる「ふうりん展」が現在、国指定重要文化財の石谷家住宅(三号蔵展示室、鳥取県智頭町)で開かれている。
智頭急行が協力する同展は、同社が車内に風鈴を飾って運行する「風鈴列車」で使った風鈴を石谷家住宅の歴史ある空間で味わってもらおうと企画。今回で3回目となる。
展示する風鈴は、ガラス、南部鉄器、竹、有田焼や備前焼などの焼き物のほか、花がさ、だるま、りんごをモチーフにしたものなどさまざま。鳥取県の風鈴では、素朴な色合いと温かみのある質感が特徴の倉吉市の上神焼のものを展示。素材によって響きも異なり、鈴のように高く澄んだ音、木のコロコロとした音、鉄や陶器の重なりによるカンカンとした音など、多彩な音色を聞き比べられる。
みそ蔵として使われていた三号蔵展示室内に、石谷家住宅の竹林から切り出した竹を設置。右奥に北海道、左手前に沖縄と、日本地図をイメージして風鈴をつるした。壁には昨年の「智頭急行開業30周年記念フォトコンテスト」入賞作品も飾り、風鈴とともに智頭の列車や風景の写真も並ぶ。
涼やかな音色は展示室外にも響き、親に抱かれた子どもがハンディーファンを手に、つるされた風鈴に風を当てて音を楽しむ姿も見られた。海外からの来館者は「風鈴を初めて見た」と感想を話していた。
会期中は展示室内で人気投票を実施。終了後にインスタグラムで結果を公開する。中間発表では、1位=奈良県の瑠璃風鈴、2位=岡山県の備前焼風鈴、3位=香川県の丸亀エコガラス風鈴と和歌山県の備長炭風鈴が並んでいる。
一般財団法人「因幡街道ふるさと振興財団」企画広報担当の中田実憂さんは「まだ暑い日が続くが、石谷家住宅の風景を眺めながら、風鈴の涼やかな音色を楽しんでほしい」と来館を呼びかける。
開館時間は10時~17時(最終入館16時30分)。水曜休館(祝日の場合は翌日休館)。入館料は、大人=600円、高校生=500円、小中学生=400円。幼児、高齢者(80歳以上)、障害のある人は無料。9月7日まで。