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400年の歴史を持つ「白兎生姜」が収穫のピーク シロップなどに商品化も

2022年、収穫した白兎生姜を持つ松下顕吾社長(写真提供=中央印刷)

2022年、収穫した白兎生姜を持つ松下顕吾社長(写真提供=中央印刷)

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 鳥取県で栽培される「白兎(はくと)生姜(ショウガ)」が現在、収穫のピークを迎えている。

生姜生産の様子(写真提供=中央印刷)

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 白兎生姜は中央印刷(鳥取市南栄町)が展開する農業事業「カイズファーム」が生産する鳥取県東部(因幡地域)産のブランドショウガ。国内では高知県などが主要産地として知られるが、鳥取では朱印船貿易を通じて東南アジアから伝わったショウガが起源とされ、400年以上前から生産が続いている。収穫したショウガは「生姜穴」と呼ばれる洞窟のような貯蔵庫に入れ、土をかけて熟成させる。この保存方法も古くから地域に伝わる伝統的な手法だという。

 同社で農業事業を立ち上げて5年目の松下顕吾社長は「会社の事業の柱を増やす方法を模索している中で、後継者を探しているショウガ農家を紹介された。歴史や農家の思いを聞き、事業を引き継いで生産を始めた。種ショウガを受け継ぐには、不作でも翌年の植え付け分を確保し、発芽や腐敗を防ぐための温度管理を徹底するなど手間がかかるが、このショウガならではの風味や歴史的価値を多くの人に知ってほしい」と話す。

 生産は4人の地元農家によって、合わせて約1ヘクタールの農園で行われている。今年は約3トン植え付けたのに対して約15トンの収穫を目標としている。収穫は10月後半~12月上旬まで続く。

 同社では6次産業化にも取り組んでおり、収穫したショウガをそのまま販売するほか、製品化して販売している。「ジンジャーシロップ」(1,980円)や「しょうがの紅茶」(800円)、「ミルク生姜飴(あめ)」(450円)など11種類の商品を展開している。

 松下社長は「学生時代に栄養学を学んできたことが出発点。安心安全を意識して自分が食べて大丈夫なものを作るように心がけている。これまで飲む輸血と呼ばれるビーツの生産にも取り組んできた。健康に良い野菜を作り、その価値を実感してもらえれば」と呼びかける。

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